デジタルマイクロスコープのキャリブレーションの重要性
デジタルマイクロスコープでの計測は、正確な結果を得るためにキャリブレーションが必要です。キャリブレーションは、マイクロスコープの性能を最大限に活用し、正しい値を計測できるようにするための調整作業です。
キャリブレーションが必要な理由
キャリブレーションは、デジタルマイクロスコープで正確な計測をするために重要です。マイクロスコープで見ている映像のサイズをPCに教え、サイズを合わせることで、実物の寸法を正確に計測できます。キャリブレーションは通常、ガラススケールを用いて、映し出された目盛り間の距離を入力する方法で行われ、自動計測するタイプのマイクロスコープも存在します。
キャリブレーションを行う際のコツには、以下の点があります。
- 画面の中央で計測することで、レンズの歪みを最小限に抑える。
- 使用するスケールの単位を小さくして精度を高める。
- ガラススケールの目盛りの位置を意識し、正確なキャリブレーションを行う。
このように、デジタルマイクロスコープでのキャリブレーションは、正確な計測を実現する上で非常に重要です。
キャリブレーションの基本
キャリブレーションとは何か?
キャリブレーションは、対象機器の正常性を確認し、精度の高い基準ゲージや計測機(標準機)と対象機器の出力結果を比較し、必要に応じて調整する作業です。
英語の”calibration” は、校正や較正、目盛りなどの意味を持ちます。キャリブレーションは測定機の経年劣化による計測精度の低下を防ぐ目的でも行われ、産業用ロボットやPCモニターなど、多様な機器に適用されます。
校正とキャリブレーションの違い
校正(こうせい)とは、測定機の動作や精度を確認する作業を指し、誤差を特定して正しい測定値を計算します。対して、キャリブレーションは正確性を確認した後、偏りがある場合に測定機を調整する作業を含みます。校正は測定機の性能確認に焦点を当て、キャリブレーションはその性能を維持または修正するためのプロセスです。
校正とキャリブレーションは全く同じ意味ではありませんが、関連性が高い言葉ですので、同じ意味として使われることもあります。
キャリブレーションのコツ
画面中央での計測の重要性
デジタルマイクロスコープにおけるキャリブレーションでは、画面中央での計測が重要です。キャリブレーションを行う際、付属のガラススケールを用いてスケールの2点間の長さを入力しますが、この時、可能な限り画面の中心の目盛り2点間を使用することが推奨されます。これは、高精度のマイクロスコープであっても、レンズの中心から遠ざかるほど歪みが生じるためです。レンズの歪みの影響を最小限に抑えるために、中央の目盛りを測定することが重要です。
正確な単位選択の意義
デジタルマイクロスコープのキャリブレーションにおいて、使用するスケールの単位を小さくすることは重要です。ミクロン単位を使用することで、精度が高まります。例えば、ミリ単位でキャリブレーションを行うと、ミクロンサイズの測定値も小数点以下1桁で0.1ミリと表示されてしまうため、より細かいミクロン単位を選択することで、より正確な測定が可能になります。
ガラススケール目盛りの位置への注意
ガラススケールの目盛りをクリックする際の位置にも注意が必要です。目盛り線の内側または外側をクリックすることで、目盛りの印字の厚みが影響し、キャリブレーションの正確性が損なわれる可能性があります。キャリブレーションを行う際には、ガラススケールの目盛り線の始点を外側にし、終点を内側にするなど、一貫した方法で計測することが推奨されます。これにより、印字の厚みによる誤差を最小限に抑えることができます。
デジタルマイクロスコープの精度を保つキャリブレーションの実践ガイド
デジタルマイクロスコープのキャリブレーションは、正確な測定値を得るために不可欠です。画面の中央での計測、より小さい単位でのスケール選択、ガラススケール目盛りの位置への注意が必要です。
校正とは異なり、キャリブレーションは機器の正確性を確認し調整することで、正しい数値に正確性を向上させることができます。