デジタルマイクロスコープの選び方とは?

デジタルマイクロスコープ

趣味や自由研究、開発・製造現場での検査・分析、研究機関での基礎研究など、幅広いシーンで利用されているデジタルマイクロスコープ。実際にカタログなどを見てみると、あまりにも多くの製品があり、何を基準に製品を絞り込めば良いか分からなくなることもあります。

ここでは、これからデジタルマイクロスコープを購入する予定の方に向け、製品の選び方をご紹介します。予算内で過不足ないスペックの製品を選んでいきましょう。

1.目的・用途を明確にする

観察・研究・分析が目的ならデスクタイプ

対象物の観察や研究、分析が目的なら、デスクタイプのデジタルマイクロスコープがおすすめです。対象物を台座の上に置き、常に安定した状態で使用できます。
画像の保存機能も搭載されているので、観察後の精緻な分析にも対応できます。リーズナブルなタイプから本格的なタイプまで、製品のバリエーションが豊富な点も魅力です。

機器の目視検査などが目的ならモニターダイレクトタイプ

工場での不良品チェックなど、主に目視検査が目的ならモニターダイレクトタイプがおすすめです。細かい部分を大きなモニターに直接映し出し、複数人で対象物をチェックできます。サイズが小型であれば、外部への持ち出しも可能です。
なお、モニターダイレクトタイプのデジタルマイクロスコープは、基本的にリアルタイムチェックが用途となるため、画像の保存機能は搭載されていません(機種によります)。

携行使用や美容業務の使用にはハンディタイプ

外部に携行して使用する機会が多い場合や、美容業務のひとつとして皮膚や毛髪をチェックすることが多い場合には、ハンディタイプのデジタルマイクロスコープがおすすめです。買取業者での簡単な査定・鑑定で使用されることもあります。
なお、ハンディタイプの中には、研究や検査に適した機種もあります。

2.必要な機能を考える

デジタルマイクロスコープの使用目的に応じ、必要な機能を考えましょう。
例えば、一般的なデジタルマイクロスコープには次のような機能があります。

  • 映像録画機能
  • 画像保存機能
  • オートフォーカス機能
  • オートズーム機能
  • オート測量機能
  • 有線・無線によるモニターへの映像投影機能、など

使用目的に必須の機能が搭載されているかどうかを確認した上で、機能的に過不足のない製品を選びましょう。

3.必要な最大倍率を検討する

対象物の大きさに応じ、適切な倍率のデジタルマイクロスコープを選びましょう。仮に観察の対象が生物なら、次のような倍率が適しています。

  • ミジンコ・プランクトンなど…100倍程度
  • 細胞の形状など…400倍程度
  • 染色体の構造など…1,000倍程度

様々な大きさの対象物を観察する場合には、倍率の幅が大きい機種、またはオプションレンズで倍率を変えられる機種を選ぶと良いでしょう。

また、細かい画像データが必要な場合には、倍率だけではなく画素数(解像度)にも注意する必要があります。画素数(解像度)が高ければ高いほど画像が細やかで鮮明になる、とお考えください。

4.モニターを基準に機種のタイプを選択する

モニターを基準にデジタルマイクロスコープを分類した場合、初めから本体にモニターが搭載されているタイプと、外部のモニター(パソコン、タブレット、スマートフォンなども含む)に接続するタイプがあります。

本体にモニターが搭載されているタイプ

屋内外を問わず、容易な操作性でフットワーク軽く使用したい場合には、初めから本体にモニターが搭載されているタイプが適しているでしょう。ただし、中にはサイズが大型で重量のある製品もあるので、事前に仕様をよく確認しておく必要があります。
なお、モニターが搭載されているタイプは、搭載されていないタイプに比べて価格が高くなる傾向もあります。

外部モニターに接続するタイプ

屋内外を問わず、常にノートパソコンやタブレットなどを携行している場合には、外部モニターに接続するタイプを検討してみましょう。モニターがない分、軽くて携行性に優れているからです。
簡単な画像チェックなどのみの用途でしたら、ノートパソコンやタブレットなどを持っていなくても、ご自身のスマートフォンで画像確認ができます。

給電方式にも注意

屋内で腰を据えて長時間にわたりデジタルマイクロスコープを使用するのでしたら、充電切れの心配がないUSB給電式や電源コード式の製品を選びましょう。
一方、電源のない屋外で使用する機会も多いのでしたら、バッテリー給電式の製品が必須となります。
USB給電とバッテリー給電の両機能を搭載したタイプもあるので、必要に応じて選択肢に入れてみてください。

5.予算を考慮して製品を比較する

デジタルマイクロスコープを価格で比較した場合、2,000円程度の製品もあれば1000万円弱の製品もあります。
あまり安価な製品はおすすめできませんがひとつの目安として、一般企業での検査・分析などが目的でしたら数十万円~200万円、専門機関の研究などが目的でしたら200万円以上が相場と考えておきましょう。
価格が高ければ、その分だけ性能もアップしますが、使用目的に対して過剰な性能を求める必要はありません。予算を考慮の上、使用目的に適した水準の製品を選びましょう。

【まとめ】
目的・機能などを明確にしてから製品を絞り込む

デジタルマイクロスコープの基本的な選び方をご紹介しました。

約2,000円~約1000万円という価格帯からも分かる通り、デジタルマイクロスコープは実に様々なタイプが展開しています。製品を比較している中で迷子にならないよう、あらかじめ目的や用途、必要な機能などを明確にしてから製品選びをすることが大切です。

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