顕微鏡の性能を測るための指標の一つに「分解能」があります。いくつかある性能指標の中でも重視されることが多く、分解能について知っておけば、適切な顕微鏡を選ぶ際の助けとなるでしょう。
本記事では顕微鏡における分解能の概要や3つの考え方について解説します。また混同されやすい「解像度」との違いも解説しますので、ぜひ最後まで参考にしてください。
顕微鏡における分解能とは?
分解能とは、観測対象をどれだけ詳細に識別できるかを示す指標です。具体的には、密接した2つの観測対象を見分けられる拡大像の最小距離のことを指します。平たく言えば、2つのものを2つだと識別できる性能を測るための指標です。電子顕微鏡は数千倍にまで拡大できますが、分解能が低ければ得られる像は不明瞭なものになります。
なお、顕微鏡の性能を示す指標には分解能以外に、見やすい大きさに拡大できるかを示す「倍率」や、見えている対象がはっきり見えるかを示す「コントラスト」があります。
分解能の考え方
分解能には3つの考え方があり、以下をそれぞれの式に当てはめることで算出できます。
- 対象を観察するのに用いられる光(可視光線)の波長=λ
- 開口数(対物レンズどれだけ効率よく集光できるかの指標)=NA
- レイリーの分解能係数=0.61(分解能定義によって0.5~1の間で可変)
- 照明の種類によって変化する常数=K
3つの分解能の考え方とともに詳しく解説します。
レイリー
レイリーの分解能は、2つの光点が識別可能である状態を評価します。レイリーの分解能で用いる計算式は以下の通りです。
分解能δ=0.61(λ/NA) |
どのようなレンズでも通した光が全て一点に集まることはなく、必ず回折現象が起きます。レンズを通過した回折像は、中央部が明るく、その周囲に同心円状の暗い輪帯です。このうち中心の明るい円形部分は、エアリーディスクと呼ばれます。互いに重なり始めるエアリーディスクを基に、光点がどの程度の距離で識別できるかで分解能を示すのが、レイリーの分解能の考え方です。
アッベ
アッベの分解能の理論では照明されていることを前提とし、光の回折を考慮して分解能を求めます。アッベの分解能の算出方法は以下の通りです。
分解能δ=λ/NA |
観測対象に平行光線を当てると0次回折光と呼ばれる直進光と、+1次回折光および―1次回折光に分かれ、この3つが重なることで像を作ります。直進光だけでは像は映らず、対物レンズがどれだけ効率よく回折光を集められるか(開口数)が観測対象を詳細に捉えるポイントです。アッベの分解能では光の波長を対物レンズの開口数で割って算出し、値が小さいほど高い分解能を持つことを示します。
ホプキンス
ホプキンスの分解能では対物レンズの開口数に加え、照明系であるコンデンサーレンズの開口数も分解能に影響するとして以下の計算式を定義しています。
分解能δ=K(λ/NA) |
これは照明の明るさが分解能に影響することを考慮に入れたものです。コンデンサーの絞りによって、わずかながらも分解能は変化します。より綿密な分解能を知るためには、押さえておくべき基準といえるでしょう。
解像度との違い
分解能と解像度は異なる概念です。分解能も解像度も「詳細に見る」という意味では同じですが、分解能はどれだけ精細にデータを分析できるかを示し、解像度はどれだけ詳細に情報を表示できるかを示します。例えば解像度が低い場合、ドット画やモザイク画のような粗い像になります。一方分解能が低いと、ピントがずれたようにぼんやりした像となるイメージです。
また分解能と解像度とでは、それぞれの指標を使用する対象が異なります。分解能は測定器側の識別能力を示しているのに対し、解像度はモニターやCCDカメラなどの表示能力を表します。
とはいえ、機器や分野によっては同義のものとして扱われることが多いのも実情です。例えば光学データの分解能が示すのは1ピクセル1辺の長さのことであり「画像処理できる最小の大きさのこと」となります。
光学データにおいて分解能と解像度の値が違う場合の理由
分解能と解像度を光学データ(画像データ)で見ると、基本的には同等のピクセル値になります。しかし光学データを画像化するためにピクセルを並べ直した際、当初の分解能と異なるピクセルのサイズになっていることがあります。これは鮮明な画像を得るために、分解能に関係なく、解像度の高い画像データをより多く取り込むことが有効な場合があるためです。
また逆に分解能より解像度を落とす場合もあります。これはデータを提供する際、解像度が低いほど価格が安くなるためです。用途や予算に応じて必要なレベルの解像度データを提供するために、ピクセルを並べ直す際にあえて解像度を落としているのです。
このように光学データにおいての分解能と解像度の値は、用途に合わせて意図的に変化させることがあります。
まとめ
顕微鏡の分解能は、顕微鏡の性能を知るために欠かせない機能の一つです。分解能が低ければ鮮明な像を得ることはできません。一方、光学データの分解能は画像処理できる最小の大きさを示しますが、やはり像の鮮明さを表しています。
アクティブウェーブのデジタルマイクロスコープは、一般的な顕微鏡のように接眼レンズと対物レンズにより対象を観察するのではなく、デジタルカメラによって拡大しモニターに映し出して観察できる機器です。
業界内では希少な純国産の高性能ズームレンズを搭載。最大500万画素の高解像度を持ち、7,000倍までの広い倍率に対応します。エントリー、ベーシック、スタンダード、ハイエンドと、ニーズに合わせて4つのモデルを展開しています。
低コストで、高パフォーマンスな顕微鏡の導入を考えているなら、ぜひアクティブウェーブの製品をご検討ください。