寸法測定は、もの作りにおける品質管理や品質保証のために重要な工程の一つです。計測には汎用性の高いノギスや、複雑で精密な対象物の測定も可能なデジタルマイクロスコープなど、さまざまな測定機が使われます。本記事では寸法測定の概要と目的、主な測定機とデジタルマイクロスコープでの測定方法について解説します。
寸法測定(寸法計測)とは?
寸法測定(寸法計測)とは、製造された部品や製品が図面通りの仕様になっているか、幾何公差が図面で指定された範囲内に収まっているかを確認する工程を指します。
例えばアナログ式の腕時計は、何枚もの細かな歯車が組み合わさって時計の針を動かしています。高性能なものになれば、歯車1枚の大きさは0.1mm程度です。仕様書通りに作られていなければうまく機能しません。そのため、製造時の寸法測定が重要となります。
寸法を測定するという簡単な作業ではありますが、ものを作り消費者の元に届ける製造現場では、重要な役割を持つ工程なのです。寸法測定にはノギスやマイクロメータなど、製品にあった測定器が使われます。マイクロスコープを用いてμm単位の測定を行うこともあります。
寸法測定の目的
寸法測定の主な目的は以下の2つです。
- 製品の品質保証
- 製造工程の改善や見直し
仕様書通りに製品が製造されていることを確かめるために、寸法測定は欠かせません。特に車のエンジン部品、医療用ペースメーカーの部品など品質が命に関わる製品は、仕様通りに作られているかどうかの確認が重要です。寸法測定によって正確に製造されていると証明することは、最終的に使用する消費者の信頼性獲得にもつながります。
寸法測定によって、図面上の寸法と完成品の寸法との間に乖離が見つかれば、それは不良品の扱いになります。不良品があまりにも多いと、製造の効率が落ちかねません。そのため、検査結果を製造部門にフィードバックし、製造工程の見直しを行うことが大切です。このように寸法測定は、製造工程の改善や見直しを行うきっかけとなります。
主な寸法測定器の種類
実際の現場で使用されることが多い、代表的な寸法測定器を紹介します。
ノギス
ノギスは一般的に使用されることが多い寸法測定器です。本体に目盛りが刻まれており、それに沿ってスライドさせる副尺が付いています。
本体と副尺の爪(くちばし)で対象を挟んで計測します。爪は外側測定用と内側測定用の2種類が付いており、外側を計測したいときは外側測定用の爪で挟み、内側を計測したいときは内側測定用の爪を対象に差し込んで計測するのが一般的です。
近年ではデジタル式のノギスも増えていて、より正確な測定を可能にしています。
マイクロメータ
マイクロメータは種類によって1μmまで測定できる、より精密な測定が必要な場合に有効な測定器です。
測定対象を挟んで外側や厚みを測る点はノギスと同様です。ただし、マイクロメータは計測対象と計測器を測定方向において一直線上に配置できる、アッベの原理にのっとった計測器で、より精度の高い計測を可能にします。
小溝・細溝径の測定やシャフトの溝の測定、歯車のオーバーピンの測定など、用途に合わせてさまざまな形状のマイクロメータが存在します。
三次元測定機
三次元測定機はステージ上に対象物を置き、接触子を当てて縦、横、高さの座標を獲得し、三次元の視点から計測する測定機です。三次元で対象物を捉えるため、立体的な対象や複雑な形状の対象の測定ができます。
三次元測定器は、自動車や飛行機エンジンの部品などの計測に用いられます。据え付けの三次元測定機の場合、クリーンな環境と温度管理が必要なため、専用の測定室に設置されるのが一般的です。ただし利便性の面で劣るため、近年では比較的コンパクトで専用の測定室を必要としない三次元測定機も増えています。
デジタルマイクロスコープでの寸法測定の方法
先述したように、デジタルマイクロスコープでも寸法測定ができます。デジタルマイクロスコープを使う場合は、寸法測定用のソフトを併用して測定するのが一般的です。
例えば、溶接部分の溶け込みを計測したい場合、ノギスだと挟み込むことができない場合があります。デジタルマイクロスコープは映し出された画像に2本の線を当て、ノギスで行う要領で2本の線の距離を計測できます。他にも穴開け加工が施された製品の穴の位置を座標から計測したり、対象物の角度を求めたりとさまざまな計測が可能です。
なお、デジタルマイクロスコープで正確な計測をするには、キャリブレーションという作業が欠かせません。キャリブレーションとは、マイクロスコープで見ている画像とパソコンに映し出される画像のサイズを合わせることです。通常ガラススケールを用いて行われることが多い傾向ですが、自動計測できるデジタルマイクロスコープもあります。
まとめ
寸法測定は単純な計測作業ですが、精密さが求められ、結果が製品の品質向上や信頼性に影響を及ぼす重要な工程です。計測には用途に合わせてさまざまな計測器が使われます。より複雑で、微細な物質の計測にはデジタルマイクロスコープでの計測が有効です。
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