顕微鏡観察で使用される「落射照明」は、金属や鉱物、植物、昆虫など、光を透過しない観察対象に有効な照明方法です。表面の光沢や凹凸を正確に捉えられるため、工業製品の検査や品質管理などさまざまな場面で役立ちます。落射照明の正しい特徴を理解し、適切に活用しましょう。本記事では落射照明の特徴やその他の照明方法との違い、必要とされる場面などを解説します。
落射照明とは?
落射照明は顕微鏡やデジタルマイクロスコープなどで使用される照明技術の一つで、観察対象の上から光を当てる照明方法です。金属や鉱物、半導体ウエハ、セラミック、植物、昆虫など、光を透過しない対象の観察に有効で、表面の光沢や凹凸を精密に捉えることができます。
落射照明に使われる照明は、取り付け方や形状によってさまざまなものがあります。レンズに直接取り付けられるリング型照明やハレーションを起こさないよう調節しやすいツインアーム照明、対象全体を照らしやすく影のない像を捉えやすいドーム型照明などが代表的です。
透過照明との違い
落射照明は対象に当てた反射光を観察しますが、透過照明は対象の下から光を当て、透過した光を観察する方法です。「お札の透かし」のような原理で、照明を当てると光が通らない部分が暗く浮き上がり鮮明な像を映し出します。不透明な対象の観察に向いている落射照明と異なり、主に細胞や植物など、光を透過する無色透明な対象の観察で活用されます。
偏光照明との違い
偏光照明は特定の方向に振動する光を使用する照明方法です。自然光はさまざまな方向に振動する光の集まりですが、偏光照明は偏光フィルターによって光波を選択的に透過させ、他の方向に振動する光を減衰させます。これにより対象に光が当たったときの反射光や散乱光の影響が軽減するため、細部までより鮮明に捉えられるようになるのです。
落射照明は光沢のある対象の観察において、偏光照明とは大きく異なる像を結びます。例えば、透明なパッケージに包まれた対象物を観察する場合、落射照明では表面がハレーションを起こして正確な像を確認できません。しかし偏光照明を使えばハレーションを除去できるので、微細な凹凸や傷なども観察できます。
落射照明が必要とされる場面
落射照明は以下のような対象の観察場面で必要とされます。
- 金属の観察
- セラミックの観察
- 半導体ウエハの検査
- 生物学的試料の観察
- 工業用途での品質管理
金属の表面や半導体ウエハのように光の乱反射を嫌い、精密性を要する部品の傷やへこみ、異物の検出に優れ、セラミックの観察では製造過程で発生する気泡による微細な孔の検出に役立ちます。総じて工業製品の表面検査や品質管理において、落射照明は重要な役割を果たしています。その他、昆虫の体表や構造、色彩など生態的特性の観察場面でも重宝されている観察方法です。
落射照明の種類
落射照明には同軸落射照明と側射照明の2種類の照明方法があります。
同軸落射照明
同軸落射照明は対象に対して垂直に光を当てる照明方法です。光源が横にある場合は向きをコントロールし、対象物に当てる光軸とレンズの光軸を一致させます。半導体ウエハや樹脂、セラミックのように、表面に凹凸がない対象は正反射するため、斜めから入射して減衰した反射光では十分に照明できず、鮮明な像を捉えられません。
同軸落射照明ではハーフミラーで横からの光を反射させ、対象に垂直方向の光を当てます。これにより、レンズ方向にも垂直に光が反射するため、対象物表面の微細な状態を鮮明に映し出せます。
側射照明
側射照明はレンズの横に設置した照明から、斜めに光を当てる照明方法です。対象物に対して垂直ではなく少し角度を付けて光を当てることで、意図的に凹凸のある陰影を作ります。表面にあまり艶がなく、ざらつきや荒さのある対象のエッジや、傷の溝の深さを鮮明に捉えたい場合に有効な方法です。
側射照明は50倍程度の低倍率、200倍~300倍などの中倍率領域で拡散反射する対象の観察に向いています。
まとめ
落射照明は光を通さない対象の、表面の傷や異物の確認に役立つ照明方法です。目的に合わせて同軸落射照明と側射照明を使い分け、より詳細な観察を実現しましょう。
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