顕微鏡は照明方法により観察対象の見え方が変わります。観察対象や目的に合わせて適切な照明方法を選ばなければ、たとえレンズの倍率を上げても細部まで鮮明に確認できないかもしれません。本記事では顕微鏡の透過照明の概要や透過照明の型、観察方法まで詳しく解説します。
透過照明とは?
透過照明とは、顕微鏡やデジタルマイクロスコープなどで使われている照明方法の一つです。観察対象の下から光を当てる方式で、細胞や組織、小型水生生物など半透明な対象の観察に向いています。
透過照明は、紙幣の透かしをイメージすると分かりやすいでしょう。紙幣の透かしを真上からの光で見ても確認できませんが、下から光を当てると像がくっきりと浮かび上がります。
顕微鏡やデジタルマイクロスコープの場合、観察対象の下から当てた光は対象を通り抜けてレンズに屈折します。これにより対象を見やすくするのが透過照明の仕組みです。
透過照明の2つの型
透過照明には「エッジ型」と「ダイレクト型」の2種類があります。照明の仕方によって見え方は変わってくるので、観察対象に合わせて選びましょう。
エッジ型
エッジ型はコンパクトで薄いプレート状の照明で、均一に光を届けるのが特徴です。光源は導光拡散板の側面に取り付けられており、内部で光を拡散させて均一な光を作り出します。顕微鏡のピントを合わせたときの対物レンズ端と観察対象表面の距離である、ワーキングディスタンス(WD)に影響を与えにくい点や、薄型でコンパクトな点などがメリットです。ただ、もう一つの型であるダイレクト型と比べると照度が落ちることが多いです。
ダイレクト型
ダイレクト型はエッジ型に比べるとプレートに厚みがあります。光源は導光拡散板の下に取り付けられているため、高輝度な光で照明できるのがメリットです。そのため、精密さが求められるピンホール検査などに向いています。プレートに厚みがあるため、ワーキングディスタンスに影響を与える可能性がありますが、輝度が必要な観察や検査では有効な照明方法といえます。
透過照明で用いられる観察方法
透過照明で用いられる観察方法は4種類あります。観察対象をより鮮明に、かつ正しく観察するために適した方法を採用することが大切です。
明視野観察
明視野観察は一般的な観察方法です。透過光が観察対象を通過すると、高密度な領域では光が減衰し、いわば影のようにコントラストを作り出します。このコントラストにより観察対象の細部を明確にするのが明視野観察です。ただし観察対象に色がないとうまくコントラストが現れず、正しい像を観察できない場合があります。細胞や組織をはじめ、ガラスやアルミナといった無機物など幅広い対象の観察に向いている方法です。
暗視野観察
暗視野観察は直接光を遮ることで、観察対象の輪郭をくっきりと映し出す観察方法です。無色透明な対象の観察に向いています。中心光が遮られていることで、散乱した偏射光があらゆる面から対象に当たります。これにより暗視野にある対象を明るく浮き上がらせることができるのです。微細構造の観察にも向いていますが、観察対象に厚みがある場合にはあまり向かない観察方法です。
偏射法
偏射法は照明の光量を調節することで見やすくする観察方法です。光は観察対象に当たると必ず回折光が生じます。また光は観察対象の厚みや屈折率の違いによって、透過先で進む角度や距離が変わります。偏射法はこうした光の特性を利用した観察方法です。例えば顕微鏡の場合コンデンサのしぼりを絞ることで、回折光の一方を遮るような光の当て方をします。これにより、観察対象の輪郭にコントラストを生じさせ、鮮明な像を映し出します。
偏光観察
偏光観察は観察対象に光が当たったときの、複屈折性などを検出できる観察方法です。通常の顕微鏡と異なり、下部に設置された光源と観察対象の間にコンデンサではなく、偏光板(ポラライザー)が設置されています。さらに偏光状態を調べるアナライザーを設置し、特別に引き出された光だけを通過させます。岩石や鉱物の結晶、細胞の結晶構造などを鮮明に映し出すことができる観察方法です。
まとめ
透過照明は主に半透明な観察対象の観察に向いている照明方法です。透過照明にもさまざまな方法があるため、観察対象や目的に合わせて適切な方法で観察することが大切です。
アクティブウェーブでは、高性能かつコストパフォーマンスの高いデジタルマイクロスコープを提供しています。デジタルマイクロスコープ 【MSX-1000】は最大500万画素の高解像度カメラにより、ライブ観察や画像の記録だけでなく、2Dリアルタイム計測、フォーカス合成、ハレーション除去などさまざまな機能を搭載。
導入しやすいエントリーモデルをはじめ、目的に合わせて4つのモデルをご用意しています。コストを抑えて高機能な顕微鏡の導入を検討しているなら、ぜひアクティブウェーブにご相談ください。