工業用内視鏡とは?
工業用内視鏡とは、細いパイプや機械の隙間など直接目視できない部位の観察や検査をする機器です。
工業用内視鏡は、ファイバースコープ、ビデオスコープ、硬性鏡に分類されます。
1990年代に、光ファイバーの束で映像を投影するファイバースコープから、超小型撮像素子(CCD)をスコープ先端に配置したビデオスコープに世代交代が進んでいます。
工業用内視鏡の種類
~ビデオスコープとファイバースコープの違い~
ファイバースコープ
ファイバースコープは、柔軟性のある数千から数万本の光ファイバーを束にして、その一端にレンズを、もう一端に接眼レンズを取り付けた構造になっています。
先端から取り入れた画像をプローブを通して反対側の接眼レンズで像を得ることができます。
柔軟性を持っている為、観察する対象物の内部が曲がっていても、それに沿って挿入することができます。
また、接眼レンズの代わりにカメラが接続されることもあります。
なお、光ファイバー1本1本がカメラの目の役割となる為、得られる像にはハニカム構造状の影が映り込みます。
ビデオスコープ
ビデオスコープは、プローブの先端に超小型CCDやCMOSカメラを搭載し、モニタで映像を観察できるほか、静止画・動画の記録もできます。
解像度はファイバースコープの数十倍~数百倍あり、より高精細な観察、検査が可能です。
ビデオスコープは映像をケーブルで伝送する為、ファイバースコープでは実現できなかった10mを超える長さも可能となり、使用用途が大きく広がっています。
また、2005年頃からランプを使った光源の代わりに高輝度LED照明をスコープ先端に配置することで、低消費電力バッテリ駆動、画像記録機能付き小型化、挿入部の耐久性向上が可能となっています。
硬性鏡
硬性鏡はボアスコープともいいます。
硬性鏡は、金属チューブ内に映像を伝播するリレーレンズと呼ばれる光学系と、光を伝播するライドガイドの両方を独立して配置した光学レンズです。
スコープの先端から光を出すために外部の光源装置が必要となり、ランプから出る光を集光し、ライトガイドケーブルを通してスコープ先端に光を送ります。
太さは最も小さいもので1mm以下、長さは1mを超えるものもあります。
視野方向は多様で、チューブから真っ直ぐ先を見る直視、チューブの斜め前方を見る前方斜視、チューブの横方向を見る側視、チューブの斜め後方を見る後方斜視などがあります。
一般的に、水やマシン油などへの防水性能も兼ね備えています。
工業用内視鏡の機能
~ビデオスコープとファイバースコープの機能~
工業用内視鏡には、ジョイスティック操作によりプローブ先端を360度湾曲させることができるものがあります。
先端を可動できることで、例えばタービンの内部や機械の隙間など、様々な場所でフレキシブルに観察することができます。
また、モニタ上でズームをすることができたり、先端部に高輝度LED照明が搭載されていて被写体の明るさを任意に設定できたり、持ち運びができるようアルカリ乾電池やバッテリが搭載されていたり、カメラケーブルの先端に温度センサーが付いていて温度警報機能が備わっていたりするものもあります。
挿入部にメタルブレードが使用されているタイプのものでは、挿入がし易くかつ耐久性にも優れています。
さらに、多くの製品で、PCやTVモニタへの映像データ出力もでき、映像を共有することが可能です。
工業用内視鏡の多様性
~使用されている業界と用途~
工業用内視鏡が使用されている業界と用途
●自動車、航空機、鉄道、船舶分野
エンジン、油圧部品、噴射ノズル、タービンなどの内部検査
●電力分野
原子力、火力発電所の復水器、配管、タービンの保守点検
●土木・建築分野
橋梁のメンテナンス、鉄骨の診断、床下や天井裏の観察
●インフラ分野
水道、ガス設備の配管の錆、腐食、詰まりの点検
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