デジタルマイクロスコープの性能に関して、「HDR(ハイダイナミックレンジ)」という要素を考えることも大切です。このページでは、デジタルマイクロスコープのHDR機能について分かりやすくまとめていますので参考にしてください。
ダイナミックレンジとは?
ダイナミックレンジ(DR)とは、デジタルマイクロスコープやデジタルカメラにおいて、最も明るく撮影できる部分から、最も暗く撮影できる部分までの「明度の範囲」です。
ダイナミックレンジの範囲が広いカメラほど、暗い場所や明るい場所でも正確に画像を撮影したり再現したりすることができます。
逆にダイナミックレンジの狭いカメラでは、明るい部分がハレーション(白飛び)を起こしやすく、暗い部分が黒くつぶれやすくなります。
HDR(ハイダイナミックレンジ)とは?
HDR(ハイダイナミックレンジ)とは、文字通りハイレベルなダイナミックレンジと考えることが可能です。
HDR機能を有しているデジタルマイクロスコープであれば、暗い部分から明るい部分まで幅広く撮影できます。
HDR(ハイダイナミックレンジ)の仕組み
HDRの仕組みを最もシンプルに考えれば、対象物を明るく撮影した画像と、対象物の明るさを抑えて撮影した画像をそれぞれ合成し、白飛びや黒塗りのない画像を再現することとなります。
HDRの性能は、どれくらいの範囲で暗さから明るさまでを撮影・合成できるかと言い換えることが可能であり、高性能なHDR機能になるほど対象物の細部までしっかりと確認しやすくなることが強みです。
ただし、HDRを使うことは明るい部分と暗い部分に生じる明度の差を小さくするということであり、必然的にコントラストを低下させてしまう点に注意してください。
HDR機能のあるデジタルマイクロスコープで叶えられること
ハレーション(白飛び)の防止
対象物の一部に光が当たっているような場合や、対象物の一部が光を反射させやすいような場合、普通に撮影しては一部がハレーション(白飛び)を起こしやすくなります。
しかしHDR機能を使うことで白飛び部分も明かりを抑えて撮影することが可能となり、結果的にハレーションのない画像を再現しやすくなります。
微妙な色彩の差を視認しやすくなる
HDR機能を使うとコントラストが低下して、それぞれの色がグラデーションとして再現されやすくなることもポイントです。
これにより、従来の撮影法では光の加減で見えづらかった、微妙な色彩の差も確認しやすくなります。
ただし、コントラストが失われるため、全体的にのっぺりとした画像になってしまうデメリットもあります。